新会社法 中小企業における活用例
このページでは、新会社法がもたらす中小企業におけるメリット、その活用事例を法務コンサルティングの観点からご紹介します。
機関設計の柔軟化を活用〜コスト削減
会社設立 社内機関のポイントのページなどでもご紹介しましたように、新会社法により機関設計の柔軟化が認められます。
これをうまく活用し、会社組織のムダを省き、会社のスリム化、コスト削減が中小企業では果たしやすいと考えます。
1. 取締役・監査役設置不要の効用
名目だけの取締役・監査役を設置しないことにより、報酬などのコスト削減が果たせます。
2. 取締役会を設置しないことによる効用
迅速な意思決定がはかれるようになります。また、議事録の作成や保存も不要となり、ここでもコスト削減や事務手続きの省力化が見込めます。
3. 役員任期延長による効用
役員変更が少ない、当分予定がない、そんな会社では定款で取締役や監査役の任期を延長(最長10年です)することによって、再任の事務手続きや登記手続きを省力化。同時にコストの削減がはかれます(取締役などの再任・変更登記手続きは1件30,000円の登録免許税が課されます)。
いかがでしょうか。これだけでも、大きな魅力ですね。
会計参与制度を活用〜会社の信用力アップ
新会社法により、会計参与制度が導入されます。
会社とは第三者の関係たる会計参与制度を活用することにより、会社の信用力アップという重要な効果が期待できます。
1. 監査役を廃止できる効用
名目だけの監査役は、会計参与を設置することにより、設置不要となります。これにより、コスト削減が期待できます。
※ 新会社法上、株式会社でも譲渡制限会社は取締役1人のみの役員体制が認められてはいます。
2. 会社の信用力アップの効用
会計の専門家であることが要件となっている会計参与の活用は、計算書類の信頼性を向上させるだけでなく、最近話題の多い粉飾決算に対する対外的信用を会社に与えるでしょう。
なお、まだ一部ですが金融機関によっては会計参与を導入している企業向け融資制度を検討するところも出ています。
近年、企業の活動に厳しい目が向けられ、アカウンタビリティやコンプライアンスの必要性は大手企業のみならず、今後ますます中小企業に求められていきます。
各種取引先に問われたとき、「わが社は早くに会計参与を活用していますよ」というだけでも、相手の見る目が違ってくるでしょう。
なお、当ステーションには企業会計専門の税理士と提携しております。法務コンサルのみならず、会計コンサルにおきましても、幅広く対応させていただきます。
株式制度の見直しを活用〜広がる活用事例
株式の制度は、一部の種類株式に譲渡制限をかけることができるようになるなど、各種効用が期待できます。
1. 議決権の無い株式の発行上限をなくす効用
株式譲渡に制限をかける会社において、議決権の無い株式(無議決権株)の発行上限がなくなります。
これにより、たとえば相続時において会社の支配権が分散するのを防ぐため、事業承継者以外の人に相続される株式を議決権の無い株式化することが考えられます。
2. 移転株式の承認対象化による効用
相続における株式の移転を、会社の承認事項とすることができるようになります。
これによって、会社にとって好ましくない相続人の株式を買い取り、経営から排除することも可能です。
3. 議決権制限による効用
株式の譲渡制限会社においては、議決権につき、人に対して制限をつける定めを定款に記載することができるようになります。
こうすることで、特定の人物の議決権に制限を加えることが可能となります。
これまで、新会社法の中小企業における活用例を見てきました。但し、これをご覧になって「そうか、役員任期を10年にしたら手間が省ける」と単純にお考えになるのはお待ちください。
任期が10年になる、ということは、たとえば最初はよくやってくれると見えて迎えた役員が思い違いだったからといって、あっさり「解任」にはできにくくなることでもあります。
メリットの裏にはデメリットがあります。ひとつひとつをよくご検討いただいて、導入の是非をお考えください。
「わが社の場合はどうだろう」、「この制度を活用してみたい」と思われましたら、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。
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